2009年 01月 08日
ノーベル賞講演の続き
ダイジェストだけ見ていると他人の目を通して物事を見ることになりますので、オリジナルにあたることは大切です。 オリジナルにあたると、色々な発見があります。
まずオワンクラゲから蛍光タンパク質(GFP)を発見した下村先生の講演です。
下村先生は緊張しているのか、原稿を持つ手がガタガタ震えています。
すると、やおら胸ポケットからGFPの入った試験管を取り出して、照明を暗くさせて紫外線ライトをあて、「どうです、きれいでしょう!」とでも言いたげに、GFPの試験管を高く掲げられます。
照明が消えていく中で、デスクライトが少しずつ消えていくのがきれいです。
試験管を掲げた下村先生には、会場から一斉に拍手がおこります。
下村先生の心なし嬉しそうな表情を見ると、こちらもほのぼのとした気持ちになります。
その後の講演は、原爆により灰燼に帰した長崎の風景から始まります。
「薬学に興味はなかったが、他に勉強するところがなかったので長崎大学の薬学部に入った。 そこの先生は大変立派な方で・・・」と続き、木訥ながら誠実なお人柄と深い精神性を湛えた骨太の先生であることがよく伝わりました。
講演スライドも見られますので、ぜひご覧ください。
必見です。
歴史的な写真や、手で丹念に描いた実験装置の図、手描きタッチの図表など、最近のデジタル化された一見美しいスライドとは違う本物感があります。
物理学賞の南部先生はノーベルウィークに参加されず、レクチャーは共同研究者のジョヴァンニ・ヨナ=ラシニオ(Giovanni Jona-Lasinio)教授が行われました。
このお話は難しく、スライドも難解です。
最後の写真で、ほっと一息つけます。 by iw
(さらにつづく)