平成27年度 栄養研究セミナー

2016年2月13日(土)に、福山駅前の宮地茂記念館で「平成27年度 管理栄養士・栄養士のための栄養研究セミナー」が開催されました。
生命栄養科学科の卒業生の卒後教育の一環として始まったこのセミナーも、そろそろおなじみになってきたでしょうか?

卒業生だけでなく、勉学のために在学生や地域の管理栄養士・栄養士の方や施設の方々も多数参加してくださいました。
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今回は、「効果的な口腔ケアについて」本学科准教授の久保田みどり先生に、演習を取り入れた講義をしていただきました。
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久保田先生は管理栄養士であり、さらに歯科衛生士の資格を有されている珍しい経歴がある方です。
そのため、歯と健康についてのかかわりや、首~頭部の解剖学的見地から咀しゃくや嚥下機能に関する筋肉の働き、唾液の様々な機能などについて詳しく解説されました。

講義の合間には、かみ合わせの大切さなどを実際に体感してもらうために、いくつかの演習をしました。
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こちらの写真は、目を閉じてつま先立ちをしている様子です。
立っていられる時間で筋力の状態を見るとともに、また、口を開けたままつま先立ちをした場合、途端にふらついたりしてうまく立つことができなくなることを体感しました。

同じように普段でも無意識のうちに、電車などがカーブを曲がった時や加減速時でバランスをとるときや、力を入れて踏ん張るときにも、口を閉じ、歯をかみしめています。
また歯をかみしめているときは、瞬間的に100㎏程度の力がかかることもあるそうで、激しいスポーツであるラグビーなどの選手はマウスピースで歯を保護しているそうです。


次は、咀しゃく力や食べるときの姿勢などを見るために、ガムとゼリーを試食しました。
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こちらのガムは、2分間普通に噛んでもらい、その後のガムの色の変化で咀しゃく力を測りました。
最初は緑色ですが、咀しゃく力が強いほど赤色に変化していきます。


ゼリーは、介助者と被介助者の役割に分かれて試食しました。
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そのままの状態で声掛けをしながら与えるのと、あごをのけぞらせるように上げたり、口を開けたままで飲みこもうとした場合の食べやすさについて検討しました。


さらに、紙コップでお茶を飲む場合の検討を行いました。
普通に通常のコップのままで飲むときの姿勢と、コップに細工をして飲むときの姿勢を比べました。
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紙コップにはさみで細工しています。

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撮影の角度と向きが異なりますが、写真左が通常のコップ、右が細工後のコップで飲んでいるものになります。
矢印のように、頭、首の角度に違いがありました。
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右のコップは、この写真のように上部の一部を切り取っています。
この位置に鼻が来ることで、自ら頭を傾けてのけぞらなくてもコップを操作するだけでお茶を飲むことができるようになりました。


食べるときの姿勢によって舌骨の可動性が変化します。
のけぞったり、逆にあごを引きすぎても、むせやすくなり、誤嚥につながります。
高齢者になると体の筋力も低下しますが、舌咽頭部の筋力も合わせて低下するために、食べるときの姿勢が悪いと余計に誤嚥のリスクが高まってしまいますので気を付けたいところです。

この他には、口腔ケアによる感染症予防効果、栄養改善効果、低栄養予防効果などのデータを示され、具体的で効果的な歯磨きのタイミングやポイントのレクチャーや、唾液分泌を促すマッサージや舌のトレーニング器具の紹介などをされました。


これで本年度の「管理栄養士・栄養士のための栄養研究セミナー」は終了しましたが、次年度以降も生命栄養科学科主催の様々な講演会やセミナーが開催されますので、ぜひ機会があれば足を運んでくだされば幸いです。

久保田先生をはじめ、関係者並びに参加された皆様、ありがとうございました。
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by seimei-eiyou | 2016-02-15 15:44 | 行事 | Comments(0)