第16回 生命工学部公開授業

7月23日(土)に、「第16回 福山大学生命工学部公開授業『第2回 楽しいバイオ実験』」が本学で開催されました。
毎年、ちょうど小学生の皆さんの夏休みにあたる時期に開催されているので、今年度も興味を持って親子で参加されている方が多数いらっしゃいました。
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今回の各実験のテーマは、
A.酵母と遊ぼう!
B.野菜や果物の味を調べてみよう!
C.食品の色を見てみよう!
D.アイスクリームを作ってみよう!
E.かわいい!水中の小動物の世界!
F.海藻で押し葉をつくろう!
の6つです。この内、生命栄養科学科では、「C.食品の色を見てみよう!」、「D.アイスクリームを作ってみよう!」の2テーマを担当しています。


ここで当日の様子を、少しご紹介します。

「食品の色を見てみよう!」では、身近な食品に使われている着色料を分離、分析する実験を行いました。
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この実験では、石油系の色素の分析手法を用いています。
石油系色素は発色の鮮やかさや安定性、コスト面から、弁当用のソーセージやかまぼこ、駄菓子やゼリー、福神漬けなどの漬物に、今も広く使われています。

ですが最近は、自然派志向の影響で、それらの食品に含まれる着色料も「コチニール、ベニバナ、クチナシ、アナト―色素」など虫や植物由来の原料が多くなっているので、石油由来の「赤104号、青1号、黄色4号」といったいわゆる合成着色料があまり使用されなくなってきており、分析できる食品を探すのだけでも難しくなってきました。

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実験手順は、まず食品の色素を水に溶けださせ、
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その液を酸性にし、毛糸を入れ加熱すると色素成分だけが毛糸に吸着します。
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そして、色素以外の余分なものを洗い流して
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アルカリ性溶液の中で色素を抽出したものを煮詰め、ガラスプレートに色素液をのせます。
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これを専用の液体の中に浸ししばらくすると、絵具のように混ぜ合わせた色素も元の使用された色ごとに分かれて確認することができます。
例えば、紫のゼリーからは1種類の青と赤だけではなく、数種類の赤色・青色、少量の黄色など複雑な組み合わせで色付けされていることも観察されました。


「D.アイスクリームを作ってみよう!」では、簡単にしかも短時間でできるアイスクリームを作る実験を行いました。

普通、アイスクリームを作るにはかなりの手間と時間がかかってしまいます。
生クリームと砂糖と卵とバニラエッセンス(バニラエッセンスを入れない場合はミルクアイスクリームになります)でアイスクリーム液を作り、これをしっかりと泡立て空気を含ませたものをタッパーなどに入れ、冷凍庫に入れて数時間おきに取り出しては凍った表面をかき混ぜまた冷凍、さらにまたかき混ぜ・・・と繰り返し作業します。

その手間をなくすために、今回の実験では氷と食塩を合わせることで温度が下がる性質を利用して、アイスクリームを作りました。
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ステンレス製の容器の中に、アイスクリーム液を入れて密閉し、その容器をさらに大きな容器に入れ、その周りの隙間に氷と食塩を入れます。
これをしばらく振り続けることで、容器の中でアイスクリーム液がかき混ぜられながら、氷と食塩によって急激に冷やされ凍っていきます。
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このときなぜ急激に冷やされるのかというと、氷は水になるときに周囲から熱を奪いながら溶け、また塩が水に溶けるときにも周囲から熱を奪っています。
この「周りの熱を奪う」現象により温度が下がり、さらに周りにできた塩水は水とは違い0℃以下でも凍らないため、塩と氷がある限り最終的に-21℃まで下げることができます。

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最後に、できたアイスクリームを器に盛り付け試食をしました。
自分で作ったアイスクリームの味はいかがだったでしょうか?

アイスクリームを食べた後には、水が凍っていく瞬間を観察して頂きました。
過冷却状態にした水に氷を一粒落とすと、あっというまに全体が凍っていく様子が観察できました。
一瞬で凍っていくのでなかなか写真には残せません。
みなさん歓声を上げながら観察していらっしゃったので、楽しく体験ができたのではないでしょうか。

生命栄養科学科では普段の学生実験でも、このように食品を扱った題材を数多くしています。
このような実験を通して、食べ物に興味関心を持って下さるきっかけになると嬉しく思います。
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by seimei-eiyou | 2016-07-25 11:40 | 行事 | Comments(0)