良い菌、悪い菌

1週間ほどブログの更新が滞ってしまいましたので、この間の事を少しずつご紹介しようと思います。

今回は、2月23日(月)に行われました修士論文発表会を聞いて、です。

今年の大学院生命工学専攻では、24名の方が卒業研究の成果を発表されました。 内容は遺伝子、ゲノムから植物、シロアリ、魚、海藻、環境汚染まで多岐にわたります。

いずれも興味深いご発表で、生命工学部では色々な人が色々な研究をしている事がよくわかります。

c0166720_14205912.gifその中の一つ、海洋生物科学科の河原先生の研究室からのご発表で、魚を養殖する時に、プロバイオティクス効果のある乳酸菌を添加剤としてエサに混ぜると、免疫賦活効果があるというご発表がありました。

乳酸菌によるプロバイオティクス効果については、ヒトの食事の方が本家本元ですね。 それが魚についても言えるということでしょう。 

ちなみに、プロバイオティクス効果とは、「体によい生きたビフィズス菌を食べると、整腸効果が期待できる」などのことで、皆さんもよくご存知だと思います。

では無害あるいは悪い細菌と、体によい細菌をどこで区別ししたらよいのでしょうか? これについては、あまりよくわかっていないというのが現状のようです。

これに関して、昨年のNatureに興味深い論文がありました。

カリフォルニア工科大学からの”A microbial symbiosis factor prevents intestinal inflammatory disease” (S.K. Mazmanian et al., Vol. 453, Issue no. 7195, 29 May 2008)です。日本語にすると、「微生物の共生因子は炎症性腸疾患を防ぐ」というものです。

炎症性腸疾患とは潰瘍性大腸炎、クローン病を代表とする腸の病気で、慢性的に原因不明の炎症が発生し、長期にわたる下痢や血便、腹痛などの重篤な健康被害をおこします。

c0166720_1422873.jpg腸内細菌の一種であるBacteroides fragilisは、ほ乳類の免疫系に大きな影響を与え、(細かいしくみは省略しますが)大腸炎を防ぐ働きがあります。

つまりこの細菌は、腸の炎症反応を抑制する事によって、この菌を腸内にもつ動物にとって良い菌になっているわけです。

ではこの菌の何にこのような効果があるのでしょうか?

どうやら莢膜に存在するpolysaccharide(つまり多糖ですね)という共生因子によるものであることがわかってきました(ここからもそう遠くない広島大学の田辺創一先生も、同じようなご研究をされています)。

菌によって持っているpolysaccharideの種類が違いますので、そこが良い菌かどうかの分かれ目?

この研究を発展させると、体によい微生物の共生因子が、将来病気の予防や治療に応用できるかもしれません。

このように動物(もちろんヒトも)と、体の中に住みついている常在菌は、化学物質を通じてお互いに助け合っているという姿が浮かび上がってきます。 by iwc

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PS 最初の魚のエサに乳酸菌を混ぜるというお話に戻りますと、こちらでも菌体成分としてはlipopolysaccharide(リポ多糖)が効いているようです。
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by seimei-eiyou | 2009-02-28 14:32 | その他 | Comments(0)

momento, por favor

ブログの更新が滞っています。

学科が無くなったり、書き手が病気だというわけではなく、ちょっと忙しくて・・・

前回好評だった2D版井ノ内教授に続き、今回は2D版里内学科主任兼学部長でご勘弁を。

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059.gif今週の出来事
月曜: 修士論文発表会
火曜: 卒業論文発表会
水曜: 再試、FD講演会、教室会議
木曜: 1年生補習授業、卒業判定会議、福山大学就職企業懇談会
金曜: 補習授業、M1中間発表練習会 現在に至る
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by seimei-eiyou | 2009-02-27 11:15 | その他 | Comments(0)

追い込み

いよいよ追い込みです。

何がって? まさに卒業論文、修士論文をまとめる時期です。

来週月曜日(2/23)には修士論文発表会があり、翌火曜日(2/24)には卒業論文発表会があります。 その後、修士1年生の中間発表会、ポスドクの成果発表会などが続きます。

この時期学生さんは、論文作成、実験、発表原稿・スライドの作成、練習などに大わらわです。

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お隣の井ノ内先生の研究室は毎年仕上げが早く、この時期にはもう発表の精度を高めるだけという状況なのに対して、私の研究室は毎年ぎりぎりの工房です。

これは教員の資質(仕掛けが遅い)の問題もあるのですが、せっぱ詰まらないと人間の能力は最大限に発揮されないので(野生動物を見ればわかる)、教育効果を上げるため、あえてせっぱ詰まらせているということに一応しておきます。

さてこのような状況は大変な反面、楽しい時間でもあります。

なぜか? 

それはこの時期には授業もなく、定期試験も終わって、エフォート80%ぐらいでサイエンスの事を考えていられるからです。


c0166720_15212123.jpgさて、先日「文藝春秋」3月特別号に掲載された益川敏英先生のノーベル賞受賞手記、「ノーベル賞 嬉しくないと言った理由(わけ) 路上と喫茶店が書斎。僕はひたすら歩いて考える」は面白かったです。

奥ゆかしい南部先生とは対照的に、益川先生の素直な心情がこれでもかというほどよく伝わってくる良い文章でした(こんな所にも、対称性の破れが見られます)。

ご興味があれば、ぜひお読みになる事をお勧めします。 私は本屋の店先で一気に読みました(要するに立ち読みです。 ブログで宣伝しているのでその点ご深慮下さい。 時々は買います)

不注意で学生さんの博士論文か何かに問題が起こり、51時間ぶっ続けで考えて解決したという話が手記の題になっています。

「よし、考えるかぁ」と言って机に向かってもいい考えは浮かびません。 歩きながら考えて、疲れたら喫茶店で休み、また歩くというスタイルだそうです。

うつむき加減に歩きながら考え事をするというのは、皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか。

電車やバスに乗らずに、歩きながら考える。 その点、京都は歩くのにいい街で(夏は暑く、冬は寒い)、よい喫茶店もたくさんあります。 大学の近くに、哲学の道ってのもありました。

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ここ福山大学もキャンパスが美しく、これからの時期、花粉や黄砂さえなければ散歩に適した環境です。 

普通に歩くと、一周するのに2,30分かかるのではないでしょうか。 キャンパスはアップダウンが(結構)あり、日頃の運動不足の解消にもなります。 by iwc

PS 益川先生は、「若い頃はすぐに考えに集中できたが、年を取ると集中して考えるのが難しくなった。」ということを書いておられます。 若い頃から難しかった私ですが、なるほどそうだと同感しました。
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by seimei-eiyou | 2009-02-21 15:22 | その他 | Comments(0)

堂島ロール

前回(男と女)は長く書きすぎましたので、今日はさらりと。

お題は堂島ロールです。最近、食べ物、それもスイーツネタが多いです。 

バレンタインデーもさることながら、2月23日(月)は修士論文発表会、24日(火)は卒業論文発表会と時節柄追い込み時期で、精神的なストレスとNOがグルコースを要求しています。

さて堂島ロール。 

あの細木数子も絶賛したロールケーキです。

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前から一度食べたかったのですが、ずっと買えませんでした(お金がなかった訳ではありません・・・。 1本1200円)。 並ばないといけないのです。 

ということで、大学院生のMさんがわざわざ大阪の堂島本店まで行って、1時間並んで買ってきてくれました(ついでに就活もしてきたそうです)。

研究室では、まずMさんがざくっと自分の取り分を切り取り、あとの残りを8等分して研究室9人で食べました。

お味は! 

私の稚拙な文章力では表現できません。 スポンジはふわふわ、クリームはミルク(チーズ?)の香りたっぷりで、甘すぎず、べたつかず、軽やかで爽やか。 大変結構なお味でした。 

彦麻呂風に、「ロールケーキのジャンヌ・ダルクやぁ(意味不明!)」。

1人あたりの分け前が少なかったので、とりわけおいしく感じられました。

グルメのMさんに感謝。 by iwc
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by seimei-eiyou | 2009-02-18 18:47 | その他 | Comments(0)

NHK 男と女 第3回

1月にNHKで放映された同シリーズ。 前回ブログの2回目に続き、今回は第3回目。 順番はバラバラですが、1回目についてはまたそのうち書くかもしれません。

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3回目のテーマは「ほ乳類における男という存在が風前の灯火だ!」というお話で、随分話題を呼んだようです。

番組を見そこねた方のために、極力コメントを避け、ポイントだけを紹介したいと思います。

ヒトは22対の常染色体と、1対の性染色体を持ち、性別は性染色体の組み合わせによって決まります。 XXなら女性、XYなら男性です。 

卵子と受精した精子がX染色体を持っていると女性に、Yを持っていると男性になります。

このY染色体はX染色体に比べて格段に小さく、含まれる遺伝子の数もXの1098に対して、Yが78と、Xが圧倒しています。

このY染色体も、もとはX染色体と同じぐらいの大きさで、1億6600万年前には1000以上の遺伝子を持っていたと推定されています。

これが進化の過程で段々遺伝子が失われていき、このままでいくと少なくとも500~600万年後にはヒトのY遺伝子が消えて無くなる(オスが無くなる)との推計です。

性の成り立ちと進化は興味深い問題です。 ピーター・N・グッドフェローらが1990年7月19日号のNatureに投稿したSRY(Sex Region Y、性決定領域Y染色体)という遺伝子が進化の過程で出現し、オスが出現しました。 またSRY遺伝子を持つ染色体がY染色体になったのだと理解しています。

こうしてY染色体になる定めとなった染色体には、精子を作る遺伝子や、胎盤を作る2つの遺伝子が載り、性染色体としての専門性を高めていったのに対して、それ以外の遺伝子はどんどん失われていきました。

この遺伝子の少なさが、オスの脆弱性や生物学的な不完全さの根拠として取り上げられる事もあります。

近年多くの生物のゲノム解析が進み、蓄積された知見をみていると、特に動物は必要な遺伝子を積極的に獲得する一方、いらなくなった遺伝子をどんどん失っていくようです。

遺伝子を交換することは生物の生存に有利であり、性の誕生は遺伝子のシャフリングを促すためという説明がなされます。 

先ほど紹介したSRY遺伝子と精子を作る遺伝子は、オスを作るのに必要な遺伝子ですが、胎盤を作る2つの遺伝子がY染色体に載っているというのが1つの味噌です。

胎盤はほ乳類が子供を作るのに不可欠であり、胎児が外界の様々な環境の影響を極力受けずに成長する事ができるので、ほ乳類の生存には有利です。

もし胎盤を作る遺伝子がX染色体などY染色体以外にあれば、ほ乳類は遺伝子の交換なしにメスだけで子供を作る事ができるかもしれません。 それがほ乳類的にはまずかったので胎盤を作る遺伝子がY染色体に載ったのか、たまたまY染色体に載ったのか。 当事者(誰?)に聞いてみないと真相はわかりません。

話をY染色体の消滅に戻します。

日本に住むトゲネズミという動物は、既にY染色体を失ってしまったにもかかわらず、性を維持したまま生き延びているそうです。

どうやって? 

まず精子を作る遺伝子はどこか他の染色体に移し、SRY遺伝子に相当する遺伝子も恐らくどこかにあるのだろうとのことです。 

SRY遺伝子が進化の過程でいきなり現れたのも不思議ですが、染色体が無くなるとまた別の遺伝子が現れてくるなんて、「生物システム、恐るべし!」です。

さて、番組後半ではさらに切実な問題が紹介されていました。 
ヒトの精子の品質劣化です。

デンマークを中心とした研究によると、ヒトの精子の劣化は甚だしく、まず数が減っています。 1 mLあたりの精子数が4000万個を下回ると受精の確率がガクンと落ち、2000万個を下回ると不妊になるそうですが、デンマークの平均はぎりぎりの4000万個台だそうです。

またこの5年から10年という短い期間で(スウェーデンだったか?)、精子の数が20~30%も減っているということでした。 この原因については環境や放射線など様々な原因が考えられているものの、不明です。

また精子の85%は形態異常で、正常な精子は全体の僅か15%程度、ちゃんと泳げる精子も全体の30%程度だそうです。

番組では、このまま行くと早晩人類には子供が生まれなくなり絶滅の危機に瀕する、これに対処するために人工授精や顕微授精などの生殖技術の進歩があるが、このような技術がますます精子の質をおとしめ、人類には明るい未来はなさそう、という問題提起で終わりました。

以上が番組の骨子です(若干解説やコメントが入りましたが)。

で、人類滅亡。 実際どうなんでしょうか? by iwc

PS 大学で1年先輩だった福岡伸一さんが、「できそこないの男たち <生命の基本仕様> それは女である」(光文社新書371)という本を書いておられます。 

PS この番組のメーンキャストの西田尚美さんは、福山市出身で、福山大学に近い福山市立福山高等学校卒業です。 ちなみに今日2月16日が誕生日だそうです(wikipedia)。

PS 上の話題とは直接関係しませんが、今朝テレビでG7における中川財務大臣の記者会見を見ていてがっかりましました。 理由は時差ボケ、寝不足、風邪薬、深酒といろいろ出ています。 理由はともあれ、あの映像を見ると、世界、アジア、政界、財界、国民、若者など色々な層に対して、ある種の強いメッセージを送った事は確かだと思います。 昔、ロシアのエリツィン大統領にも同じような事があったことを思い出しました。 ただ今回は、このような状況下で、このような場所で、このような人がという、これ以上ないピンポイントのTPOでした。 人類の滅亡も心配ですが、日本の将来もどうなるか。 
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by seimei-eiyou | 2009-02-16 12:21 | その他 | Comments(0)

一応、バレンタイン

今日、国際電話の支払いにローソンに行きました。

コンビニは各種支払いがいつでもできて便利ですが、何も商品を買わず、支払いだけする時少し後ろめたさを感じます(で、朝などお店が忙しい時間帯ははずします)。

いつものように振り込み用紙を出すと、カウンターの若い女性が、小さく潜めた声で

「一応バレンタインなので・・・」

と言って、小さなチョコを、カウンターの上にぽつっと置きました。
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その後はバーコードの読み取り、支払い、・・・と機械的な操作が続きます。

後ろめたい上に、チョコまで出されて恐縮します。 

問題はカウンターに置かれたチョコです。 もらうのも何だし、もらわないのも変だし・・・

何もない白いカウンターの上に、小さなチョコがひっそり佇みます。 

何か気まずい。 

チョコの上には、タヌキの顔がプリント。
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帰り際に、「じゃあ、いただいて帰ります。」とチョコをサッと取りました。 

カウンターの女性は視線を落として表情は見えませんが、全体の雰囲気から「私はお客さん全員にチョコを配っているけど、お店に言われて仕事でやっているだけ。」という気持ちが伝わってきました。

「一応」、「バレンタイン」、「なので・・・」 (仕方なく・・・)

小さなチョコが生んだ、気まずい緊張の一瞬でした。 カウンターの女性が気の毒になりました。     by iwc

PS こういう時には百戦錬磨のおばちゃんに、「あんた、しょぼくれた顔してるわね。どうせ誰にもチョコなんかもらわないだろうから、これでも食べなよ。がはははは。」とでも言っていただくと、話が弾みそう。
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by seimei-eiyou | 2009-02-14 12:22 | その他 | Comments(0)

c0166720_1837567.jpgLifehackerでは、アメリカの雑誌”Men's Health”のサイトに掲載された「アメリカで最も体に悪い食べ物」が紹介されています。

栄えある?第1位(The Worst Food in America of 2009)に選ばれたのは、バスキン・ロビンズのラージ・チョコレート・オレオ・シェイク(Baskin Robbins Large Chocolate Oreo Shake)です(日本では、同じものは売ってないと思いますが)。

理由は「1日に必要なカロリーを上回っているうえに、3日分の飽和脂肪を含み、ストローで10分吸い込むだけで食べられちゃうのも恐ろしい点。」とのこと。

成分表(Nutrition Facts)を見ると、総カロリーは2600カロリー(脂肪からは1220カロリー)、135gの脂肪(1日の摂取量の208%)[そのうち59gは飽和脂肪酸(1日の摂取量の295%)で、2.5gのトランス脂肪酸を含む]、コレステロールは185mg(1日の62%)、総炭水化物333g(1日の111%)、263gの砂糖、1700mgのナトリウム(1日の74%))となっています。

よい点としては、カルシウム、鉄分、ビタミンAが多く、それぞれ1日の摂取量の90、80、40%を含んでいます。

これだけの量を、ズズーッと吸いこむだけであっという間に摂れてしまうのですから、確かに恐ろしい。 日本では販売が困難でしょうし、これを食べる人も限られるでしょう。

しかし、これを普通に販売しているアメリカという国も恐ろしい。 

アメリカで、正しい食の知識を持たずに無防備に食べ続けていると、知らない間に健康被害に遭う可能性があります(これは日本も同じ)。

ヒトが甘い物、カロリーの高い物、脂肪に惹かれるのは、常に飢餓の恐怖と隣り合わせで生存を最優先に生き抜いてきた生物としての本能でしょう。 

スイーツは心を和ませ、ストレスを低減するなど心理的なプラス効果もありますので、食べる頻度を考えるなど節度を持った行動が大切です(が、そこが難しい・・・)。  by iwc
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by seimei-eiyou | 2009-02-12 18:48 | その他 | Comments(0)

ジャム作り体験

少し間が空きましたが、先日のアヲハタ㈱ジャム工場でのジャム作り体験編です。

c0166720_12244084.jpgまず材料から。

スーパーで売っている大きくて美味しそうなイチゴでジャムを作ると、できあがりが白っぽくなりませんか?

生食用イチゴは表面が赤いのに対して中は白く、仕上がりの白っぽさの原因になります。アヲハタ㈱ジャム作り体験では、中まで赤い加工用のイチゴをブレンドした原料イチゴを使いました。

c0166720_1225233.jpgまずお鍋にイチゴ(今回は砂糖漬けされたイチゴ)を入れて、弱火から徐々に火を強くして焦がさないように加熱します。 

イチゴに火が通ると、何とも言えないイチゴのいい匂いが部屋中に充満します。

沸騰してきたら、粘りを出す成分であるペクチンとグラニュー糖をよく混ぜたペクチンシュガーを、ダマにならないように少しずつ加えて混ぜ溶かします。 イチゴはペクチンがやや少ないので、粘度を出すために加えます。

c0166720_1226742.jpgペクチンは植物の細胞壁に含まれる複合多糖で、食品添加物として増粘安定剤として使用されています。 ペクチンを口に含むと、「水分が持ってかれる、持ってかれる!」 唇や歯について大変です。

次に大量の砂糖をどさーっと加えて(ご家庭ではフルーツ1に砂糖1、さっぱりとした風味のグラニュー糖がお勧め)よく溶かします(砂糖はダマにならない)。

次は濃縮過程です。 沸騰したら火をゆるめて煮詰めていきます。 糖度が65°程度になっているのを糖度計で確認します。 この際、イチゴの原形を留めずに種のブツブツをなくしたい時には、へらでイチゴをつぶします。

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イチゴには空気がいっぱい含まれていますので、濃縮過程で空気をよく抜いておかないと、ジャムにした時イチゴが浮いてしまいます。 

煮詰める過程でイチゴが大きくふくらみ、液面が上がってきます。 イチゴジャム作りには深い鍋を使いましょう。

c0166720_12284442.jpgイチゴがふくらんで一度上昇した液面が下がってきたら、イチゴの中の空気は大体抜けています。 15分ほど放置して、糖液をイチゴの内部に浸透させます。

糖液が十分浸透したら再び強火で加熱し(必要!)、沸騰したら火をゆるめてレモン果汁を加え、酸味を付けます。 糖度計で糖度をチェックしながら、弱火で少し煮ます。

糖度が62°になったら火を止め、表面に浮いている泡を取り除きます。 泡を丁寧にとっておかないと、ジャムの中に白い泡が入ってしまいます。

c0166720_12293349.jpgジャムは冷えると固まりますので、熱いうちに殺菌した瓶に詰めます(火傷しないように、必ず手袋着用)。 瓶の口から5mmの所まで詰めると、ジャムが4本できあがりました。 

軽くフタをして、3回ひっくり返してフタを少しゆるめるとプシュッと音がして中の空気が抜けますので、すぐに蓋を締めます。 その後殺菌、冷却をしていただき、最後にラベルを貼るとできあがり。 ジャムが固まるまで、1,2日おくといいそうです。



学生さんの作ったジャムを試食したところ、同じ材料、同じ方法で作ったジャムなのに、結構味にばらつきがあるのがよくわかりました。

c0166720_1231479.jpgイチゴのフレーバーがしっかり残っている物、あまり残っていない物、シロップ部分がシャバシャバのものと色々です。 熱のかけ加減、焦げ、混ぜ方で仕上がりの違いが出る事がよくわかりました。

我が家のジャムは、朝の食卓でトーストに塗って消費されました。 研究室のジャムは、今週スコーンを焼いて、焼きたてにつけて食べる予定。
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アヲハタの皆さん、どうも有り難うございました。 by iwc
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by seimei-eiyou | 2009-02-10 12:41 | 実験・実習・授業 | Comments(0)

食の安全・安心 ヘビ編

c0166720_18221583.jpg今から4年前の2005年10月(イヤに正確)、CNNのウェブサイトに「ワニとニシキヘビの「死闘」、双方死ぬ フロリダ」という記事が写真付きで載っていました。

少し引用しますと、「フロリダ州マイアミ──フロリダ州南部のエバーグレーズ国立公園で近ごろ、体長約4メートルのビルマニシキヘビの腹部から、体長約1.8メートルのミシシッピワニの後ろ足が飛び出て、双方が死んでいるのが見つかった。野生動物の専門家は、ビルマニシキヘビがミシシッピワニを飲み込こもうとしたが、ワニがヘビの体内で暴れ、腹部が裂けてしまったのだろうと話している。

c0166720_18225016.gif写真はお見せしませんが、想像を裏切らないキモさです。 くの字方に、鋭角に折れ曲がったニシキヘビの胴体から、ワニの下半分が突き出ていました。

ビルマニシキヘビは東南アジア原産で、それがなぜかフロリダで繁殖して生態系に悪影響をおよぼすお恐れがある、としていました。

c0166720_18232725.jpg当時2年間で150匹のビルマニシキヘビが捕獲されていたそうで、それだけフロリダの動物がニシキヘビの餌食になっているのでしょう。

フロリダのエバーグレーズ国立公園(湿地帯です)には遊びに行った事があるのですが、そんなにたくさんの大蛇がいるとは知りませんでした。 ヘビ嫌いの私としては、もし遭遇していたら大変なパニックになっていたでしょう。

それはさておき、なぜヘビが危険なワニを食べようとするのでしょうか。

専門家によると、ニシキヘビとミシシッピワニが戦った場合、勝負はほぼ互角、勝つ確率はお互いにとって五分五分だそうです(ヘビとワニのバトルは毎年確認されているらしい)。

生きるために食べなければならないにしても、勝率が5割ならリスクは相当大きく、なぜもう少し安全なエサを食べないのだろうかと不思議に思っていました。

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ここで話題は今週のNatureに移ります。

カナダの研究者がコロンビア北東部でこれまで見つかった中で最大のヘビの化石を発見しました。

このヘビは約6000万年前に生息し、そのサイズは体長13m、体重は1135kg(イヤに細かいのは、2500[lb]ポンドをkgに換算しているため)。 ワニやカメを食べていたそうです(化石が見つかった)。

そうなんです。6000万年前の大蛇はワニを食べていたのです。 034.gif

体長13mぐらいになると、相手がいくらワニでも勝率はぐっと高いに違いありません。 きっと安全に、安心してワニが食べられたのでしょう。

フロリダでワニを食べようとしたビルマニシキヘビは、「俺たちゃ、昔っからワニ食ってんだぜぇ」と6000年前の記憶を持ち続けていたのではないでしょうか?

ただ過去の体長13mが今では4mですので、昔のように楽勝とはいきません。 どか食い、食いだめが特技のヘビでも、食い過ぎは体のためによくないようです。

ということで、本日の話題はヘビの「食の安全・安心」でした。 by iwc

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PS 写真は随分昔にブラジル・サンパウロで買ったワニ革の名刺入れです。 お店の人に「もうワニ革、手に入らないから、今あるだけ!」と言われて買った記憶があります。 考えてみると、ワニもヘビもバッグやベルトの材料です。
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by seimei-eiyou | 2009-02-06 18:35 | その他 | Comments(0)

c0166720_1728642.jpg現在大学は後期末試験の真っ只中です。

昨日、試験の帰りに1号館前の広場を歩いていると、上品な年配のご夫婦が歩いてこられました。

すれ違いざまに「こんにちは」というと、後ろを歩いておられたご主人様が「ここはホンにええ学校じゃのう、きれいで。(備後弁を再現できません!、すいません)」とおっしゃいました。

「あっ、そうですか。 有り難うございます。 まだ寒いですが、春になるとサクラが満開でとってもきれいです。 ぜひまたお出かけ下さい。」というと

「わしら、毎年来させてもろうとります。 孫が二人、こちらにお世話になっとります。」とご主人。 

c0166720_17311045.jpg「あ、そうですか。 どちらの学部ですか?」

「人間文化学部です。 今日はちょっと事務室に用があって来ました。 事務室はどちらですか?」と奥様。

「事務室ならあそこに見える入口を入ったところです。 中に入られたらカウンターがありますので、誰かにきいてみて下さい。」

「どうも有り難うございました。」と奥様。

「今日は少し温かいので、よかったら帰りに学内を散歩してお帰り下さい。」と言うと、ご主人様はニコニコと軽く手を挙げ、会釈して立ち去られました。 

何となく春を感じた一日でした。 by iwc
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by seimei-eiyou | 2009-02-05 17:38 | その他 | Comments(0)