2009年 02月 21日
追い込み
何がって? まさに卒業論文、修士論文をまとめる時期です。
来週月曜日(2/23)には修士論文発表会があり、翌火曜日(2/24)には卒業論文発表会があります。 その後、修士1年生の中間発表会、ポスドクの成果発表会などが続きます。
この時期学生さんは、論文作成、実験、発表原稿・スライドの作成、練習などに大わらわです。
これは教員の資質(仕掛けが遅い)の問題もあるのですが、せっぱ詰まらないと人間の能力は最大限に発揮されないので(野生動物を見ればわかる)、教育効果を上げるため、あえてせっぱ詰まらせているということに一応しておきます。
さてこのような状況は大変な反面、楽しい時間でもあります。
なぜか?
それはこの時期には授業もなく、定期試験も終わって、エフォート80%ぐらいでサイエンスの事を考えていられるからです。
さて、先日「文藝春秋」3月特別号に掲載された益川敏英先生のノーベル賞受賞手記、「ノーベル賞 嬉しくないと言った理由(わけ) 路上と喫茶店が書斎。僕はひたすら歩いて考える」は面白かったです。
奥ゆかしい南部先生とは対照的に、益川先生の素直な心情がこれでもかというほどよく伝わってくる良い文章でした(こんな所にも、対称性の破れが見られます)。
ご興味があれば、ぜひお読みになる事をお勧めします。 私は本屋の店先で一気に読みました(要するに立ち読みです。 ブログで宣伝しているのでその点ご深慮下さい。 時々は買います)
不注意で学生さんの博士論文か何かに問題が起こり、51時間ぶっ続けで考えて解決したという話が手記の題になっています。
「よし、考えるかぁ」と言って机に向かってもいい考えは浮かびません。 歩きながら考えて、疲れたら喫茶店で休み、また歩くというスタイルだそうです。
うつむき加減に歩きながら考え事をするというのは、皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか。
電車やバスに乗らずに、歩きながら考える。 その点、京都は歩くのにいい街で(夏は暑く、冬は寒い)、よい喫茶店もたくさんあります。 大学の近くに、哲学の道ってのもありました。
普通に歩くと、一周するのに2,30分かかるのではないでしょうか。 キャンパスはアップダウンが(結構)あり、日頃の運動不足の解消にもなります。 by iwc
PS 益川先生は、「若い頃はすぐに考えに集中できたが、年を取ると集中して考えるのが難しくなった。」ということを書いておられます。 若い頃から難しかった私ですが、なるほどそうだと同感しました。