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生命と栄養のブログ from 福山大学 生命栄養科学科

第22回 グリーンサイエンスセミナー

本日(平成21年12月21日)午後4時から、栄養教育実習室で第22回グリーンサイエンスセミナーが開催されました。 今回は講師に神戸大学農学部の金沢和樹先生をお招きし、「機能性食品の研究開発戦略」という題でご講演いただきました。 講演が始まってみると「食品機能性物質の探索戦略」というような題で、ポリフェノール類を中心とした食品機能性分子に関するお話しでした。 聴衆は学生さんが多かったためか、基礎的な話からはじめて、わかりやすくお話しになりました。 

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炭水化物、脂質、タンパク質など、エネルギーになりATPを生み出す栄養素以外に、食べ物の中には非栄養素というべき物がたくさん含まれます。 その中には健康の維持増進に関わる物質がたくさんあるというのが導入部です。 今回のお話しの中心になったポリフェノール類はごくありふれた物質なので、体は強い排泄能力を持っていて、いくら食べても血中に入る量がごく限られる安全な異物である、ということを逆手に取り、そこからいかに食品機能性成分を探し出して食品開発を進めるかという戦略のお話しでした。

第22回 グリーンサイエンスセミナー_c0166720_2061295.jpgお話は多岐にわたりスピードも速かったので、私のような専門外の人にはフォローしきれなかった部分もありました。 とは言え、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインは腸内細菌によって変換されて初めて活性型になるため、腸内細菌叢(そう、腸内フローラ)の個人差によって効果にばらつきが出る等のお話しを面白く聞かせて頂きました。

最後は機能性食品開発戦略についてでした。 食品に含まれる物質を網羅的に分析し、まず化学構造により分類します。 そこから作用標的を絞り、試験して同定し、作用機構を解明してヒトで実証試験を行う、ざっとこんな感じだったと思います。 そんなにうまくいくのかなという気もしないではありませんが、戦略を立て方法論を確立することは大切だと思いました。

ということで、平成21年最後のグリーンサイエンスセミナーが終了しました。 皆さんどうもご苦労様でした。 来年もよろしくお願いいたします。
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by seimei-eiyou | 2009-12-21 20:08 | 出来事