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生命と栄養のブログ from 福山大学 生命栄養科学科

米粉食パン


今週は、製造法が異なる米粉の評価のため、米粉食パンを焼いています。

米粉パンと一口に言ってもいろいろあり、だいたい次の3種類に分類できます。

1)通常の(小麦粉で焼く)パンに、一部米粉を加えたもの
   米粉テイストの小麦パンといえます。
2)米粉に小麦タンパク質のグルテンを加えたもの
   パンが膨らむのは、スポンジのようなネットワーク構造をつくる「小麦グルテン」というタンパク質があるからです。 米粉にはグルテンがありませんので、水を加えて練っても、そのままではドウとしてまとまりません。 そこでグルテンを加えて、小麦と同じようなネットワーク構造を作って膨らませます。 ただし、このタイプの米粉パンは、小麦アレルギーの方は食べられません。
3)米粉100%パン 
   小麦粉や小麦タンパク質を全く使わないタイプの米粉パンです。 これなら小麦アレルギーの方も食べられます。 ただし2)で書いたように、米粉だけではドウとしてまとまらず、ネットワーク構造もできませんので、そのままでは膨らみません。 そこでグアガムなどの増粘剤を加えたり、お米のおねばを加えて発泡させて、小麦パン様の構造を作ります。 欠点は重くて硬いことでしょうか。 米粉は小麦粉に比べて吸水量が多いので、どうしても重くなります(行き過ぎたもっちり感)。 また、硬い。 焼きたてはともかく、冷めるとまずいと思います。

さて。 

今週はじめには米粉100%食パンを焼きました。 できあがりはパンというより、陶器のオブジェのよう。 パンというのはちょっと・・・、気が引けます。 別の食べ物だと思った方がよいでしょう。 一方、外国にはこんなタイプのパンもあるという人もいます。 たしかに、こんな重くて硬いパンもあったような気がします。

今日焼いたのは、2)の米粉にグルテンを20%加えた食パンです。 菓子パンやコッペパンに比べると、食パンは技術的なレベルが高いのです。 米粉に要求される性能レベルも高く、説明すると長くなりますので省きます。

グルテン入りといえども、米粉パンはドウ作りが小麦パンより難しいと思います。 小麦に比べて米粉は多く水を吸い、重くなりがちです。 まず水加減が難しい。 またドウを作る温度の管理もデリケートです。 温度が上がると、できあがりの品質が落ちます。 

最初機械任せでドウを作ったところ、うまく膨らまずあえなく失敗。 そこで手になじんだ小麦ドウの感覚を頼りに、手ごねでドウを作ります。 米粉パンはこねた感じが小麦のドウとはずいぶん異なり(パサパサしている)、どこまで水を加えてよいのか迷います。

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 写真は捏ねあがったドウです。 まあまあよくできていると思います。 後ろは昼食のレトルトカレーです。 米粉パンのドウがうまく決まらず、いっそのことパンなど焼かず、カレーをかけて食べた方がよいのではと思いました。

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これは、ホイロ発酵の様子です。 一斤用の容器いっぱいに膨らんでいます。 本当はもう少し膨らんでいたのですが、写真を撮るときにしぼんでしまいました。

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これはできあがりです。 もう少し膨らんでほしいところですが、まあまあのできでしょう。

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ひっくり返すとこんな感じです。 

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切るとこんな感じです。 ホームベーカリーの容器で焼きましたので(焼いたのは、コンベクションオーブン)、底にホームぺーカリーの羽根を回す軸の穴が空いています。

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拡大するとこんな感じです。 底の方では気泡が小さく、上の方では大きくなっています。 全体に均一な気泡ができるのが理想です。

さて、味はなかなかおいしかったです。 これなら十分もちもちしたパンとして食べられます。 感覚がわかりましたので、次はもう少しおいしく焼けるでしょう。 

オット、忘れそうになりました。 本実験の目的は米粉の評価で、おいしい米粉パンを焼くことではなかった!
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by seimei-eiyou | 2010-10-02 18:35 | その他