2012年 04月 14日
アスピリン
平成24年度前期の授業も一通り終わり、穏やかな週末となりました。
教壇から学生さんの顔を見ると、明るい顔の子、うつむいた子、人それぞれです。 表情から学生さん1人1人の心情を慮る訳にもいきませんが、各人いろいろなバックグラウンドを抱えていることは想像できます。 この中には、働き盛りのお父さんを病気で亡くしたという学生さんも、何人かいらっしゃることでしょう。
私の周りにも、就学時のお子様がいるにもかかわらず病死される方が少なからずおられます。 さぞ無念だろうと思います。 うちの研究室でも、配属生全員が片親の年がありました。 病死の原因としては、なんといってもガンです。 この年代ではがんの進行が早く、私も人ごとではありません。
このガンですが、低用量のアスピリンの長期服用が、ガンの発症率を20~30%以上低下させるという研究成果が研究雑誌に掲載され、話題を呼んでいます。 こちら こちら
本論文は、メタアナリシスという”過去に独立して行われた統計研究結果を統合して解析する手法”で行われたもので、信頼性が高いとされています。
この研究によると、アスピリン(アセチルサリチル酸、鎮痛解熱薬、バッファリンの主成分)を毎日75-100mg、数年間にわたって服用すると、がんの発症率が2~5年の服用で20%以上、5年以上の服用で30%以上下がるというものです。 薬の王様アスピリンは心臓病を予防する働きもあり、比較的副作用が少なく、しかも安い。
私も、予防服用してみようかなと思ったりする今日この頃です。
※アスピリンには、胃腸障害などの副作用が出る場合がありますので、服用はお医者さんや薬剤師さんとご相談ください。