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生命と栄養のブログ from 福山大学 生命栄養科学科

2009年 05月 02日 ( 1 )

対策

栄養とは関係の無いインフルエンザの話題が続いてしまいすみません。最後に(たぶん)、もう一つだけ。

一昨日、私の家族が薬局でマスクを買おうとしたら、すでに売り切れでした。次の入荷も未定とのこと。インフルエンザ対策が個人レベルでも進んでいます。

政府や地方自治体は、この数年間、新型インフルエンザ対策を積極的に進めてきました。政府の今の対策は、あらかじめ決められていたマニュアルに沿って行われています。そのため、比較的落ち着いて対応しているように見えます。(厚生労働大臣以外は?)

海外からのウイルスの侵入阻止や全体の方針決定は国の仕事ですが、感染者に対する医療システムを構築したり、個人や地域コミュニティーでの対策を支えたりする実務は、地方自治体の仕事になります。これから先は、それぞれの自治体の手腕が試されます。

c0166720_952484.jpg現在、各自治体では“発熱相談センター”を設置して、疑いのある患者には指定の病院で受信するように指示しています。そして、日本に新型インフルエンザが侵入したことが判明した時点で、各自治体は“発熱外来”を設置して、風邪やインフルエンザの疑いのある人をすべてこちらに集めて診察を行います。こうすることで、新型インフルエンザを他の病気の人から隔離します。ところが、この“発熱外来”で問題が生じる可能性があります。新型インフルエンザ対策の進み方は自治体により差があるのに加えて、発熱外来に必要な施設と医師、看護師等を十分にそろえるのは簡単ではありません。また、以前より医療の地域格差が問題になっていました。そのため、すべての自治体が適切な数の“発熱外来”を設置できるかは微妙です。域内の風邪やインフルエンザの患者すべてに、ごく少数の“発熱外来”で対応できるのか、疑問視する人もいます。また、感染者を入院させる専用の病棟も僅かしかありません。新型インフルエンザに対応するのは病院の仕事ですが、同時に病院には体力の弱った人が入院していたり、受診に訪れたりします。十分な対策なしに、感染力の強いウイルスを持った人が病院に集まると深刻な事態に発展する可能性があります。
事態がさらに進んで、感染者がどんどん増えてくると隔離の意味が無くなります。そうなると、“発熱外来”や隔離入院は見直され、普通のインフルエンザと同じような対応になります。

c0166720_955669.jpg正直なところ新型インフルエンザがこんなに早く現れるとは思っていなかった、と言う人が、私を含めてたくさんいると思います。そのため、十分な準備ができていないところもたくさんあるでしょう。この先、学校の休校や事業所の休業、スポーツイベントや公演の中止など、今後様々な分野に新型インフルエンザの影響が出ます。新型インフルエンザ発生時の対応マニュアルをあらかじめ作成するようにと、国の「新型インフルエンザ対策ガイドライン」は求めていますが、一般企業などで完全なマニュアルを持っているところは少ないでしょう。その他にも、医療やライフラインの維持、食料や生活必需品の供給、社会的弱者の保護など、社会で対応しなければならない課題はたくさんあります。
今、我々が試されています。

By KY

追記:前のI先生の話にあるように、少々「生命栄養科学科」から離れた話ばかりですが、“今”必要なことを書きました。これからしばらくは、必要なことが起こらない限りこの硬い話題は避けるようにします。
ただ、最後に一つだけ。
「鳥インフルエンザ」や「ブタインフルエンザ」とは、本来は鳥やブタがインフルエンザウイルスに感染して起こる病気を意味します。そのため、ニュースで見られるような、鳥やブタに由来するウイルスの人への感染症に同じ言葉を使うことには強い抵抗があります。農林水産省の文章では、このような“誤用”はまず見かけないのですが、厚生労働省は盛んにこの言葉を使います。何とかならないものでしょうか。
I先生のように、どんな話題も最後は無理やりにでも食や栄養に結びつける力が無くてすみません。
by seimei-eiyou | 2009-05-02 09:19